自分でできる腰痛の予防法3選!:福岡の鍼灸師が解説
日本人が最も悩まされている症状〝腰痛〟。
日本整形外科学会の調査では、全国に腰痛のある人は3000万人いると推計されています。鍼灸院に来院される患者さんの中でも、腰痛を訴える人は圧倒的に多い状況です。
今回は、そんな日本人の約4人に1人が抱えている腰痛について、福岡みらいテラス鍼灸の鍼灸師が自分でもできる予防方法をご紹介します。
この記事を読んでいただくと、皆さんに合った腰痛予防に出会えるかもしれません。
それでは鍼灸師が教える腰痛予防法3選!いきましょう!
自分でできる腰痛予防法3選
皆さんにぜひ知っていただきたい腰痛予防法は以下の3つです。
Ⅰ.腹筋を整える
Ⅱ.胎児ポーズのストレッチ
Ⅲ.ふくらはぎをほぐす
どれも腰に関係あるの⁉ といった感じかもしれません。
順に解説していきますね。
腹筋を整える
腹筋を鍛える!
「腹筋を鍛える!」といっても、バキバキの腹筋にする、という事ではないので安心してください(笑)。
やり方は簡単で以下の手順で行います。
①仰向けに横になる
②自分のおへそを見るように頭を上げます。
③その体勢のまま15~30秒間キープしてください。
④15~30秒経ったら頭を下ろし、楽な体勢に戻します。
②のおへそを見て頭を上げた体勢の時に、お腹や下腹部にしっかりと力を入れるのがポイントです。
お腹や下腹部に張った感じがあればOKです。頭を上げる角度の目安は、床からだいたい30度くらいが良いでしょう。
これは筋トレが目的ではなく回数をこなす必要はないので、1回につき3セットでも十分です。できれば毎日、継続していただくことが腰痛予防につながります。
腹筋をほぐす
腹筋を鍛えるのと同じくらい「腹筋をほぐす」というのが大事になります。
やり方は、
仰向けの状態で、おへそ周囲を自分の指で押さえながら左右に揺らしていきます。
押さえた時にギューっと痛い部分があれば、そこを重点的にほぐしてあげます。
このように腹筋をほぐしてあげるだけで腰が楽になりますが、先程述べた腹筋を鍛えた後にほぐしてあげると、より効果が上がります。
腰痛予防でなぜ腹筋?
腰痛なのに何でお腹!?と思いませんでした?
人の身体って、全身が筋肉でつながっていて、前後・上下・左右で引っ張り合いっこしてるんですね。
腰とお腹も「前後」の関係になっていて、引っ張りあってバランスを取っています。
なので、お腹の筋肉をしっかり付けてあげたり張りをほぐしてあげることで、身体のバランスを保ち、腰痛を予防してくれるんです。
いつすればいいの?
腹筋を整えるのは、いつ行ったら良いか。
仰向けで行うので、ずばり夜寝る前と朝起きてすぐ、寝転んだまま行うのが良いでしょう。
人は同じ体勢を長時間とると、身体のこわばりが発生しやすいんです。
睡眠中って同じ体勢が長時間になることが多いので、実は身体がこわばりやすいんですね。(寝ぞうが良い人ほど、身体がこわばりやすい人が多い気もします。)
なので、これから同じ体勢を長い時間取る「寝る前」と、こわばりが出やすい「起きてすぐ」に行うことをおすすめします。
寝転んだままの状態なので、やりやすいですしね!
ちなみに、福岡みらいテラス鍼灸が提供している企業様向けの鍼施術ケアでは、腹部を診る「腹診」を取り入れています。
胎児ポーズのストレッチ
胎児ポーズって?
いきなり胎児ポーズと聞いて「?」となった方もいるのではないでしょうか?
「胎児ポーズ」とは、赤ちゃんが母体の中にいる時の姿勢です。
下のイラストのような格好。見たことありますよね??

わかりやすく言うと、背骨全てを引き延ばしたような丸まった姿勢です。
胎児ポーズの方法
胎児ポーズのストレッチのやり方は先程のイラストの通りなのですが、いくつかポイントがあります。
ポイントを交えて解説していきます。
①横向きに寝転んで丸まった格好をする
横向きに寝転び、足を曲げ丸まった格好をします。
この時のポイントは、全ての背骨を引き延ばすように意識します。
頚椎(首の骨)、胸椎(背中の骨)、腰椎(腰の骨)の1つ1つを引き離すように引っ張ってあげてください。
そうすることで、背骨全てのストレッチになります。

②両手で頭を下に引っ張る
胎児のポーズの際、両手で頭を下に軽く引っ張ることがポイントです。
そうすることで、よりしっかりと背骨が伸びてくれます。
③左右両向きに寝転んで行う
横向きで寝転ぶのは、左右両方行うと良いでしょう。
どちら側から行っても構いませんが、身体のバランスを取るため、必ず両側行ってください。
胎児ポーズがなぜ腰痛予防になるの?
胎児ポーズがなぜ腰痛予防になるのか、それには背骨の働きと関係があるんです。
それを知った上で行った方がより効果が出るので、解説していきますね!
ー背骨の働きー
背骨って、いくつかの骨(脊椎)が連なって構成されています。
そして下のイラストのように若干前後に歪んでいるんです。

この歪みは正常なもので、若干の歪みがあることで、背骨が前後・左右にしなやかに動く働きを生み出しています。
その構成や働きをサポートしているのが、背骨に付いている軟骨や筋肉なんです。
軟骨は背骨と背骨の間にあって、隙間を作ることでクッションの役割をしています。
筋肉は、背骨の正常な歪みや、軟骨が作っている隙間・クッションを保つためのサポーターの役割をしているんです。
つまりこの背骨に付いている軟骨と筋肉たちが柔軟性を保っていると、背骨の動きがしなやかで、腰痛などの痛みも出ないようにしているんですね。
ー軟骨や筋肉が硬くなると腰痛の原因にー
身体をしなやかに動かす働きがある背骨ですが、それをサポートしている軟骨や筋肉が硬くなると、背骨の動きにも余裕が無くなり、腰痛の原因となっていきます。
腰を動かす時のかがむ動作や、立ち上がる動作などは必ず背骨を使います。
背骨をサポートしている軟骨や筋肉が硬くなると、そこに摩擦や炎症が生じて痛みが発生するというのが腰痛の式仕組みです。
ー胎児ポーズは背骨のストレッチになるー
腰痛の原因には以下があると述べてきました。
・背骨と背骨の間にある軟骨が硬くなること
・背骨や軟骨をつないでいる筋肉が硬くなること
胎児ポーズを行うことで、背骨と背骨の間がけん引されて軟骨に余裕が出ます。
さらに背骨に関係している筋肉のストレッチにもなるので、腰痛予防に役立ちますよ。
胎児ポーズのストレッチは、腹筋を整えるのと同様寝転んで行うので、夜寝る前や朝起きた時、お布団で行うのが良いでしょう。
ふくらはぎをほぐす
鍼灸師が教える腰痛予防の3つ目は、「ふくらはぎをほぐす」です。
腰痛予防なのになぜふくらはぎなのか、その理由と方法を解説していきます。
ふくらはぎをほぐす方法
①体育座りのように膝を立てて座ります。片側ずつ行うので、ほぐす方の膝を立て、もう片方の足は楽にしてください。
②両手を軽く握り、両親指でアキレス腱~膝の裏辺りまで軽く圧迫しながらこすり上げていきます。
③回数目安は、左右各5~10回程度。気持ちが良いくらいの強さで圧迫してくださいね。
なぜふくらはぎが腰痛予防になるの?
「腹筋を整える」のところで述べたように、人の身体は筋肉でつながっています。
また、東洋医学には身体中に存在するツボをつないでいる「経絡」という考え方があります。
下のイラストのように、腰にあるツボとふくらはぎにあるツボは、経絡でつながってるんですね。

↑膀胱経という経絡が腰とふくらはぎを通っている。
なので、ふくらはぎにあるツボを意識してほぐすことで、腰の状態にも影響を与えて腰痛予防につながります。
意識すると良いツボ
ふくらはぎをほぐす時、意識しておくと良いツボは以下の3つです。
| ツボの名前 | ツボの場所 |
| 承山(しょうざん) | アキレス腱を下から上になで上げ、アキレス腱が終わるところ |
| 承筋(しょうきん) | 承山の少し上辺りで、ふくらはぎの真ん中部分 |
| 委中(いちゅう) | 膝の裏の真ん中部分 |

どのツボも当たるとズーンとする痛みを感じることがあるので、気持ちの良い程度で圧迫すると良いでしょう。
いつすればいいの?
お風呂で身体を洗っている時に行うのが良いでしょう。
石鹸が付いている状態だと、指がスムーズに滑ってくれてやりやすいし、その日たまった足の疲れがたまりにくくなるのでおすすめです。
ふくらはぎをほぐすメリット
最後は、ふくらはぎをほぐすことで得られる嬉しいメリットをご紹介します。
腰痛予防になることのほか、以下の3つがあります。
ーむくみ解消ー
ふくらはぎをほぐすことで、血流とリンパの流れが促進されます。
血流とリンパの流れが良くなると、足にたまりやすい老廃物や水分が流れてくれるため、むくみの解消へとつながります。
ー冷え予防ー
冷えの原因となる血流が促進されるため、冷え予防につながります。
冷え性でお困りの方はぜひやってみてください!
ーこむらがえり予防ー
ふくらはぎがつることを「こむらがえり」といいます。
こむらがえりの原因は、血流の滞りと疲労の蓄積なので、ふくらはぎをほぐすことは、それらの解消につながります。
以上、鍼灸師が教える「自分でもできる腰痛予防3選!」でした。
全部取り入れていただいても良いし、できそうなところからチャレンジしていただいても良いでしょう。
できれば毎日続けることが効果的ですので、習慣にしていただくことがおすすめです。
この記事が皆さんの腰痛予防につながれば幸いです!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福岡みらいテラス鍼灸は、働く人の腰痛を解消したいと考えています。
今後も福岡みらいテラス鍼灸をよろしくお願いします!
