【健康経営】定期健康診断の受診率アップに係る取り組み事例:福岡の鍼灸師が解説
「定期健診、実施してるけど全員が受けていない…」
「健康経営って、何から始めたらいいのかわからない…」
そのような企業にとって、まず取り組むべきテーマの一つが “定期健康診断の受診率向上” です。
そして健康経営の実施においては、経営戦略の一環として従業員の定期健診受診率を指標に掲げることが必須とされています。
なかでも 定期健診の受診率を100%に達成・維持している企業の取り組みは、他企業の健康経営実践のモデルケースとして注目されます。
本記事では、健康経営の取り組みが定期健康診断受診率アップに影響している3社の事例と、共通ポイントを解説します。
アドバンテッジリスクマネジメントグループ
アドバンテッジリスクマネジメントグループ(以下「ARMグループ」)は、
『従業員が健やかに生活し元気に働き続けることが、従業員とその家族の永続的な幸福のための、そして会社の活力向上のための、もっとも重要な礎である~中略~』という方針のもと、健康経営宣言をされています。
同社では、健康経営の指標として定期健康診断の受診率を設定しており、2021年度から2024年度まで4年連続で受診率100%を継続達成しています。
定期健康診断受診率100%の背景として、同社の具体的な取り組みを紹介していきます。
1.KPIとして受診率を明確に設定
従業員が心身ともに健康であり続けるためには、従業員自身が主体的に健康課題を把握し、生活習慣の改善に努めることが大切という考えから、
同社は健康経営推進のKPIとして「健康診断有所見率」を設定しています。
そのため、健康投資施策の取り組み状況に関する指標として、「定期健康診断受診率」そのものを設定し明文化することで、2021年度から2024年度まで4年連続で受診率100%を継続達成しています。
受診率を含む複数の健康指標を “PDCAサイクル” で改善していく仕組みを整備し、KPIを明確にすることで、社内の認識統一と取り組みの優先順位付けが進んだと考えられます。

2.経営層・産業保健チームによる推進体制
経営トップ(社長)を健康経営の最高責任者に任命し、拠点責任者および推進者、産業医と保健師を中心とした「衛生委員会」、他には経営会議メンバー、グループ会社責任者、社内健康経営コンサルタントや、下述する「ARMミライ⭐︎元気プロジェクト」メンバーと人事部・健康管理部が一体となり、従業員とその家族の健康を増進する取り組みを推進しています。
さらに、毎月開催される衛生委員会には従業員代表も参加。
職場の声を反映しながら労働安全衛生についてタイムリーに情報を共有し協議を重ね、従業員視点で健康経営への要望をキャッチするよう努められています。
また、経営会議や取締役会において健康経営の進捗状況を定期的に共有・議論が行われています。
経営層の推進力により健康経営施策全体が加速され、従業員の主体的な健康増進への取り組みにつながるという、
企業全体で “継続的に健康施策の改善・評価を行う体制” が整えられています。

3.従業員の健康リテラシー向上の仕組み
従業員の健康リテラシーの向上と健康増進を目的とした、全従業員参加型「ヘルス⭐︎アップ研修」、「ヘルス⭐︎アップワークショップ」を実施。
「ヘルス⭐︎アップ研修」では健康経営施策を理解し、各自の健診結果の振り返り、健康増進に有効な生活習慣を学びます。
研修受講後に開催される「ヘルス⭐︎アップワークショップ」では、各自で考えた改善(維持)したい生活習慣・それに向けたアクションプランを共有し、相互に意見交換を行っています。
ワークショップには、アドバイザーとして保健師も参加しています。
また、従業員主体のプロジェクトチーム(ARMミライ⭐︎元気プロジェクト)を組成。
従業員が互いに関心を寄せ、リスペクトする文化を醸成するための施策を考え、経営陣へダイレクトに提案・実行しています。
従業員自ら施策提案・実行に携わることで、企業主導だけでなく、従業員の主体的な取り組み促進が図られています。
4.健康診断の統合管理とデータの可視化
「健康診断結果管理システム」を導入し、健康診断の予約 → 結果管理 → 産業医・保健師との連携 までを一元管理とデータ化しています。
これにより管理負担の軽減と情報共有の迅速化が実現され、受診率向上につなげています。
データの活用で “受診漏れ者の属性分析” が可能になり、運用改善点の発見にも寄与。
データ集計や業務処理の効率化によって、受診促進のためのアプローチがタイムリーに行えるのがポイントです。
また、同社独自の統合プラットフォームを活用し、健診データやストレスチェック、勤怠・労働時間を一元管理、可視化しています。
データ分析をもとに「課題の抽出 → 施策立案 → 効果検証 → 改善策の実行」を実践。
データの可視化により課題が明確になり、施策立案が容易になる仕組みも構築しています。
5.ARMグループの施策ポイント
ARMグループの取り組みポイントは、
健康診断受診率を含む複数の健康指標を経営課題として明確に位置付け、
“経営レベルで健康経営を戦略化 → KPI設計 → 従業員参画 → データで見える化 → PDCA“
という一連の仕組みを確立した点にあります。
上記のフレームワークを基に、自社の文化・規模に合わせて施策設計を行うと、 定期健康診断受診率の向上や組織全体の健康意識向上につながりやすくなるのではないでしょうか。
参考/画像出典:アドバンテッジリスクマネジメントグループの健康経営
NTTテクノクロス株式会社
NTTテクノクロス株式会社(以下「NTTテクノクロス」)は、社員の健康保持・増進への取り組みがモチベーションや生産性を向上させ、企業の収益拡大にもつながるとの方針のもと、健康経営を経営戦略の一環として取り組んでいます。
同社でも、健康施策の主要指標として定期健康診断受診率100%を目標に設定し、2023年度・2024年度ともに100%達成しています。
NTTテクノクロスの具体的な取り組みを見ていきましょう。
1.定期健康診断・人間ドックの完全実施を目標に設定
NTTテクノクロスでは社員の健康保持・増進に向け、定期健康診断の充実と、診断結果を踏まえた健康指導を行っています。
定期健康診断(特定健診含む)受診率100%を目標として完全実施を行い、その目標指標と取り組み状況を社内外へ情報開示しています。
30歳以上の社員は、60歳まで人間ドック受診を5年ごとに必須とし、これも受診率100%を目標としています。
また健診結果に基づき、特定保健指導・精密検査の対象者への個別受診勧奨を実施。
受診だけでなく、フォローアップ施策までを通した健康管理体制が整備されています。
さらに、健診データや生活習慣データのデジタル化・一元管理を行うことで、毎年の健診結果や傾向を広く可視化し、社員の健康行動促進を図っています。
健診後のフォロー体制を整備し受診機会を明確に確保・周知することで、受診漏れの防止にもつながっています。

2.社内啓発・情報発信
健康管理に関する、時季に合わせた情報や大切なことなどを「健康だより」として社内イントラで定期発信しています。
また、食事・運動・生活習慣改善をテーマにしたセミナーやワークショップを開催。
健康意識を高める継続的なコミュニケーション施策として健診の受診促進を後押ししています。
3.健康イベント・行動変容支援
全社ウォーキングや内臓脂肪測定会、歩行基礎力測定会などの健康促進イベントを開催。
健康知識の習得から実践へ。
社員が健康行動を実践する機会と楽しさを提供できるよう工夫が重ねられています。
このような日常的な健康意識向上の取り組みが、健診受診にも波及しているのではないでしょうか。
4.組織としての健康推進体制の整備
社長以下、健康推進責任者や産業医・保健スタッフ、労働組合、総務部門が連携できる推進体制が構築されており、定期健康診断に関する施策設計・実行・評価まで、社内横断的な体制で実施されているのが特徴です。
また外部相談窓口を設置。
社員が抱える職場の問題・プライベートの問題等を相談できるカウンセリングサービスを用意し、社員の心身の健康をサポートする体制を整えています。

5.NTTテクノクロスの施策ポイント
NTTテクノクロスの取り組みポイントは、
健康診断・人間ドッグ受診率の目標設定を明確化し、健診情報を含めたフォローアップと個別支援を実施している点が特徴的です。
そのために必要な社員の行動変容を促す施策として、「社内での健康情報発信やイベントで健康意識を高める」「健康支援制度を福利厚生として整備する」という工夫が見られます。
また、組織横断で推進する健康経営体制の構築も、定期健康診断受診率100%の継続達成に寄与していると考えられます。
参考/画像出典:健康経営に向けた取り組み|NTTテクノクロスのサステナビリティ
株式会社イデックスビジネスサービス
株式会社イデックスビジネスサービス(以下「イデックスビジネスサービス」)は、
「社会がよりよく明るくなるために 企業がよりよく繁栄するために 社員がよりよく幸福になるために」を経営ミッションに掲げ、健康経営に取り組んでいます。
同社は、健康維持増進の取り組みとして定期健康診断を2020年度以降ずっと100%で維持しています。
その背景となる取り組みを紹介していきます。
1.定期健康診断の徹底と内容の充実
イデックスビジネスサービスでは、「定期健康診断の徹底」を健康経営重点項目の筆頭に掲げています。
健診を “健康増進施策の中心” に位置付け、定期健康診断受診率100%を目標として設定。これを起点に健康維持・増進施策を展開しています。
法定健診に加え、がんの早期発見や生活習慣病予防に狙いを絞った検診を実施。
精密検査や各種がん検診など内容を充実させることで、 “受けるメリットがある健診” に設計されています。
さらに、健診受診率だけでなく各種がん検診受診率なども数値管理され、複数指標で健康状態を把握することで受診行動の定着につながっています。

2.〝健康経営 推進体制〟の構築
同社は2021年に健康経営宣言を策定し、代表取締役社長を健康経営の最高健康責任者(CHO)に任命。
健康経営事務局も配置し、経理総務部が担っています。
また、全国健康保険協会や産業医、外部の健康経営支援機関・企業との連携を図り、推進体制が構築されています。
推進体制を構築し、健康経営を企業のミッションとして組み込むことで、実施内容の一つである「健診受診」についても全社的な取り組みとして機能しています。

3.社内セミナーの充実
2021年の健康経営宣言制定以降、毎年健康づくりに関する社内セミナーを実施。
外部講師による、「肩こり・腰痛予防講座」「食育セミナー」「睡眠セミナー」「乳がん・子宮頸がんセミナー」など他にも様々なセミナーを実施しています。
こうしたセミナーにより健康に関する知識を得ることで、社員自身の健康状態への関心が高まります。
健康教育の積み重ねは、結果として健診受診が義務ではなく、自身の健康管理の一環として捉えられるようになり、受診率の向上にも良い影響を与えていると考えられます。
4.生活習慣改善への啓発活動
イデックスビジネスサービスでは、健康経営の取り組みの一環として、社員が生活習慣の見直しや健康づくりに主体的に取り組めるよう、様々な啓発活動を行っています。
具体的には、
定期的な健康関連情報の提供や、社内広報を活用した社員のコミュニケーション促進などを通して、社員一人一人が自身の健康に関心を持ち、生活習慣を見直すきっかけづくりを提供しています。
同社では、こうした継続的な取り組みを通じて、社員の健康意識の向上とともに、健診受診率の維持・向上にもつなげています。
5.イデックスビジネスサービスの施策ポイント
イデックスビジネスサービスは、
定期健康診断受診の徹底とともに、複数のがん検診などを取り入れた健診内容の充実がポイントです。
また、健康経営を継続的に推進するための推進体制を構築。組織として社員の健康づくりを支える仕組みを整えています。
健康に関する社内セミナーや、生活習慣改善に向けた啓発活動などの積み重ねにより、社員一人ひとりの健康意識が高まり、健康診断を自分の健康管理の一環として捉える風土が形成され、健診受診率の向上につながっていると考えられます。
参考/画像出典:健康経営への取り組み|イデックスビジネスサービス
まとめ
本記事では、定期健康診断の受診率100%を維持することに成功している企業3社を紹介しました。
これらの企業に共通するポイントは以下3点。
①健康経営の推進体制を組織化
3社とも
・経営トップ関与
・健康推進組織の構築
・産業医・保健師等、外部との連携
が整備されています。
つまり健康経営を担当者まかせでなく、社内横断的な体制で全社的に取り組まれています。
②受診率を健康経営指標として管理
定期健診受診率が高い企業では、健康経営のKPI(重要指標)として目標設定し、管理しています。
また、健診内容や健診後フォロー体制の充実も図り、高い受診率を実現しています。健診受診を健康経営推進の中心に位置付けた上で、社員の健康維持・増進の施策を展開しているのが特徴です。
③ “健康文化” を持っている
どの企業も健康に関するセミナーやイベントを実施し、社員の健康リテラシー(健康に関する知識や理解)を高める取り組みが行われています。
日頃から健康への関心を高めることで、健診を「会社の制度」ではなく、自分の健康管理の一部として捉える文化を醸成する仕組みが整えられています。
以上、今回は『【健康経営】定期健康診断の受診率アップに係る取り組み事例』について福岡の鍼灸師が解説しました。
「定期健康診断の受診率をどう高めるか」は多くの企業に共通する課題です。
しかし、定期健康診断の受診は、従業員の健康課題が分かり健康施策を行う“要”となります。
福岡みらいテラス鍼灸は、健康経営の導入・運営サポートと訪問鍼・ストレッチケアを通じて、企業の状況や職場環境に合わせた、無理なく継続できる健康づくり、企業と従業員の双方にとって価値のある健康づくりをサポートしています。
健康経営を「形だけ」で終わらせず、現場で実感できる取り組みへ。
「何から始めればよいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
